2010.09.08

シャルチエ講演会

昨日は、国立国会図書館で開催されたロジェ・シャルティエの講演会に参加してきた。内容的には大まかに言うと、ディスコース(内容)と物質的躯体(媒体、もしくは形式)の二元論に基づいて、「本」について語るというもの。前半部は、元々読書行為論で評価されるシャルティエらしく歴史的なパースペクティブで語っていたが、後半の書籍のデジタル化の話は何か既視感のある話で、特にGoogle批判の件などはなんだかなあという感じ。ただ、シャルティエってあんなに熱っぽく語る感じの人なんだとかいうミーハー感覚は多少満たしてもらったかも。もちろん、書籍の電子化やアーカイブ化に関してはまだまだ視ていく論点は多いし、それはミュージアム研究に対しても示唆は大きいと思う。けれども、この手の研究にどのような重要性があるのかは分からないけれども、それでもある意味ではシャルティエらしく、物質にこだわってくれても良かったかなと思っている。つまり、いきなり電子的テクストとかiPadとかではなくて、決定的に電子的テクストはPCのスクリーンという物質的躯体に依存して読まれていると言う事実。そして、このスクリーンやデスクトップの回り自体に、読む主体の個性が強く反映されているということをもう少し地道に検討してみたいというのが僕の立場である。

その後、最近『文化人とは何か?』を出版されたばかりの加島さんや、大学院からの友人と再会し、しばしお茶。まあ、大体同じ年度に大学院に入学もしくは、戻っているので博士論文の話などが中心的な話のテーマ。ただそれにしたって、一緒にいたメンバーはそれぞれ明らかに優秀なのに、こうも就職は難しいものかと。それでも、そんなことに愚痴は言わず研究と前向きに向き合える仲間で、勇気づけられた。この世代が心折れないうちに、多少は文科省も日本の研究職の未来を考えて欲しいものだ。

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