2010.11.30

関西出張記:その2

ということで予告通り、その2を。翌日の土曜日に参加したのは以下の研究会。

http://mellplatz.net/info/000237.php

この緩やかな研究者の集まりの軸になっているのが、僕もお世話になっている水越先生。水越先生の元学生さんで、今関西大学で教鞭をとられている村田麻里子さんが企画した研究会。メディア研究ベースでミュージアムがフィールド、なおかつ留学先も一緒という、僕にとっては日本では数少ない、前ふり無しでミュージアムの話をすることができる先輩にあたる。

今回のメインは、日本でほとんど唯一といってもいい1980年代の文化人類学の内省のミュージアムにおける影響を紹介した民博の吉田さんと、ある意味ホットな太地町立くじらの博物館の櫻井さんの報告をベースにディスカッションをという内容。報告としては、櫻井さんの発表はすごく面白かった。日本のなかに博物館史の対象として魅力的なフィールドがまだまだあるのだということを認識させられた。成立の経緯、時代背景、その後の展開を含め、ICOM的な最も広い概念としてのミュージアムを考える上でも面白いと思う。具体的な内容は、いずれMELLのサイトなどにアップされるのかなと。

僕にとってはもう一つ収穫だったのは、村田さんとの立ち位置のズレが認識できたこと。単純にあちらの方が大人だというのもあるんだけれども、かなり村田さんの議論は最終的にはミュージアムという実践に還流させることを意識しているんだなと。恐らく、これはメディア研究とメディア実践の可能性を追求してきた水越先生、そしてMellの中で形成されてきた視点なのだろうなと。一方で僕は、そもそも視覚文化論がベースだし、社会学的な知とある種の表象文化論的な知を振り子のように揺れているという背景の部分もあるし、何より戦略的に理論で押しているようなところがあると。僕はとりあえず博論あげるまでは、研究者が過度に現場を意識することで、現場に想像力が縛られることを一番問題にしているからというのが大きいのかもしれない。ただ、恐らくミュージアム関係の仕事は、何らかの形でご一緒出来ることになると思うので、ずれた部分から議論して行ける方がありがたいなと感じている。

他にもい幾つか指摘するべきことってあるはずなんだけれども、兎に角週末にあまり寝る時間を取れなかったので眠くて仕方ないので、あとはまたtiwitterででも補足することにしよう。あ、あと夜空に生える太陽の塔は得体の知れない巨大生物のようだった。

«
»