2012.04.23

六本木日中

昨日は久しぶりに日中を六本木で過ごした。生憎の雨模様だったが六本木でアウトドアな一日を過ごすことはそうないわけで。まあ展評的な内容。

ということで最初に訪れたのは、国立新美術館の「セザンヌ」展。午後見ようと思っていた映画まで1時間しかなかったので、この手のブロックバスターを並んでみると時間がきついかなと思ったけれども、入口を通過する際(それまではイ・ブルを見ようと思っていた)に、並んでいなかったので急遽乃木坂側のチケット購入売り場で入場券を買う。予想通り、時間が足りなくて後半は駆け足だったのだけれども、量的にはお腹いっぱいだった。

展示を見ながら考えていたことが二つあって、一つは展覧会の値段。というのは1500円のチケットは安いのではないかと思ったからである。単純に展示物が100点近いことを考えると、僕らが一点に払っているのは15円~20円だということになる。セザンヌ一枚見るのに20円だったら安いものだと感じたのである。展覧会の入口に、でかでかと同展は保険の国家補償制度を利用していると書いてあったが、普通に考えて保険だけで1枚に億単位かかるだろうし、そりゃ採算合わないよねと。まあでも、こんなことを考えるのは僕がこの業界の人だからで、一般の人は映画館の1800円や、2000円のランチとかと比較して余暇の過ごし方を選択するわけで、そういう人にとってはこれ以上高いとそうそうこなくなってしまうだろうと。

もう一つ面白かったのはどこから作品を借りているかで、序盤にあったニュー・サウスウェールズ美術館の作品。日本語のキャプションだとニュー・サウスウェールズ美術館としか書いていないのだけれども、英語の方のキャプションすごく長い(笑)。誰々所蔵の作品がどこどこ財団の寄託としてニュー・サウスウェールズ美術館にあるというような書き方になっている。後は、アメリカの美術館はかなりバラバラと出していて、州立レベルの美術館のコレクションの強さみたいなことを改めて感じた。特に、最近僕が調べていた1920年代の論文なんかに載っている僕はあまり知らないアメリカの美術館もコレクションを出していたりして、ああ、どれも立派な美術館だったのね的な感慨。

その後六本木シネマートで『台北カフェ・ストーリー(第36個故事)』を見る。日本語のタイトル訳は少し微妙な気がするんだが(ちなみに英語のTaipei Exchangesは意訳だがすごく特徴をとらえている)。一言で言うと、台北とグイ・ルンメイの美しさを鑑賞する映画。台湾映画を見て、台北を見るたびに僕は台北って綺麗だなあと思うんだけれども、これって自分が外国人だからなのかどうかということを少し考えていた。というのも、留学中に『Lost in Translation』を素材に異邦人が描く外国像みたいなテーマでレポートを書いたことがあって、もちろんソフィア・コッポラが描く東京だったんだけれども、普段だったら何も感じない日本の嫁入りのシーンとかがすごく綺麗に感じたことを覚えていて。多分それは、ロンドン在住の日本人が、外国人の目を通した日本の伝統風景を見たからだったのではないかと思っていて。だから、日本に留学中の台湾の方が、東京であの映画を見るとどう映るのかなあなんていうことを感じながら見ていたのである。僕は、どちらかというと好きな映画だったけれども、見る人が見ると薄い映画ではあるので、好き嫌いは分かれるかもと。というわけで久しぶりに論文以外の活動で文化的に過ごした日曜日だったのである。

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