2012.09.17

前橋滞在記

ということで社会情報学会に初めて参加してきました。多分前橋に来たのは初めて。群馬に滞在したのは多分10年ぶりぐらい。前回の滞在は学部時代に友人と温泉に参りました。

まず前橋に着いて思ったのは駅前のempty感。まあ、群馬で最も栄えているのは多分高崎で、行政の中心地が前橋だってのは何となく分かっていたけれども、鳥取来たときよりもさらに何も見当たらない感じだった。むしろ、鳥取のときよりも感じたのは、前橋駅ではなく前橋駅周辺の国道文化のようなもの。駅前周囲1kmだと鳥取に軍配だが、周囲3kmだと前橋の方が栄えているという「目」の印象。この地方都市の感覚というのは完全に僕には欠如している感覚なので、理解はできなくても学会単位で地方都市に向かうのはいい経験になる。

で今回のメインは翌日日曜日の発表で、タイトルは「複合メディア環境におけるスクリーンの遍在」。司会は芸大の毛利先生にお願いし(昨年はマスコミ学会でもお願いしており最早頭上がりません。お忙しい中ありがとうございました)、この数年一度一緒に研究の話を公開でしたいと思っていた東京大学の大久保さんに共同発表者をお願いしました。まあとにかく21世紀最初の10年間で、東京や大阪といった大都市の表面が日に日にスクリーンで覆われている現状があって、この状況をどう記述できるのかと同時に、この状況を通して既存のメディア研究と視覚文化論をどう接続していくことができるのかといったようなことを事前の企画主旨としては考えていました。

群馬、最終日、社会情報学会でスクリーンという三大悪条件もあり参加者はさほど多くはなかったのは残念ですが(まあ、僕のネームバリューもないですし・・・笑)、一方で逆に参加して頂いた先生方からはほぼ全員ご質問、ご批判を伺えたことにはとても感謝しています。僕はこの2,3年は比較的オーソドックスな英語圏のメディア研究をベースとした語り口になっていると思うのですが、会場からの質問に刺激されたことで、僕のなかで修士時代にかなり根詰めて取り組んでいた視覚文化論や建築論といったものの引き出しが、今の研究関心と改めてつながっていくchemistryを感じることができました。まあどうしても、博物館学会だとメディア研究の人、マスコミ学会だとミュージアム研究の人的な扱いになり(まあ問題設定の仕方が未熟なのはもちろんあるにしても)、議論が盛り上がらないことが多かったので、今回はいつも以上に発表させて頂く機会を持って良かったなとハッピーな気分で家路に着いたのでした。

ただし、何かボーッとしていてPCのプロジェクターのコネクタと名刺を忘れたのは駆け出しの研究者としては大反省なのでした。この研究の内容にばかり気がいって、営業力に欠ける性向は一向に改善の兆しがありません・・・。会場にいらした全てのかたに改めて感謝申し上げます。

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