2013.07.05

風邪とともに去りぬ

とか良く分からないタイトルをつけてみる。先月後半からずっとひどめの風邪を引いており、特に今週はつらかった。昨日の最後の一コマ終わってから自分の研究室でぐったり。風邪とともに憂鬱な日々も去って欲しいものである。ということで、すっかりブログの更新をサボっておったので、最近見たモノ、読んだモノについてつらつらと。

先週28日の金曜日は、午後に国立新美術館で『貴婦人と一角獣』展を見に行った。素朴に良い展覧会だなあと。6枚のタペストリーだけを見せて、残りのスペースはどれだけその6枚のタペストリーをより印象的に感じさせることができるかという点にはっきりと配慮がされていることが伝わる空間設計だった。地方の公立館とかが、開館準備期にほんの数枚だけ購入できた西洋印象派モノも、これだけを見せるという展示にしてしまえば良いのではないかなあ。変に地元作家の作品が展示されている展示室の先とかに展示されているから、印象が弱くなるのではなどと思った。僕はオーディオガイドをあまり利用しないタイプなので結局聞かなかったのだけれども、『ガンダムUC』と連動したため、使われている声優が池田秀一さんという。国立新美術館のターゲット層とは違うから仕方ないかなとも思ったのだけれども、もう少し我々ガンオタに配慮したグッズを配置したらバカ売れしたのではないかなあとも。

その後、純粋に音楽を聴きに行くという意味では数年ぶりにZEPP TOKYOへ。なかなか自分が学部生の頃から解散せず活動している邦楽のバンドやアーティストもいないので、GRAPEVINE良かった。田中さん、生でも歌上手かったっす。客層も本当に今の大学生ぐらいの年齢層から、僕よりも10ぐらいは上だろうと思われる女性などもいたし、会場だけ見ても歴史があるよねえと。比較的高校から大学にかけて洋楽ばっかり聞いていた頃に邦楽に戻るきっかけともなったバンドだったので、新鮮だった。そもそも生歌をあれほど大きなハコで聞くという経験自体が相当久し振りだったので、少し若さを取り戻したかなと。「Reverb」かかったときは、この15年ぐらいのこと色々思い出してしまったよ。一方で、「ライブ行くか」という気になった一つの理由は、間違いなく大学に勤務していて音楽で卒論書きたいみたいな学生に、もう経験で話せなくなっている年だなあという反省もあってふとチケットをとったので、その点も感謝。

その後土日は、あまりソリが合うという感じではないのだけれども、それでもメインの学会の一つである博物館学会へ。体調も悪かったので土曜日のみの参戦だったけれども。発表の質に関しては、振れ幅が大きいなあと改めて感じた。アメリカの地域文化系の研究発表に関しては、それなりに多くの方が関心を示されたのだと思うのだけれども、オーラル・ヒストリーの博物館資料としての可能性を論じようとしていた実践報告は正直いただけなかった。いかに現場の実践報告でも学会発表で参考文献がレジュメにないというのは問題だと僕個人は思うし、社会学のライフヒストリー研究を参照したのであれば、桜井さんなり、中野さんなり、しかも戦争体験を対象としたものであれば野上さんだったりと読んだのだろうから、それは掲示してよと思った。twitterにも呟いたのだけれども、実践系、歴史系、理論系は分科会に分ける時期が来ていると思う。そもそも学会が明治大学固定というのも不思議だなと思っている。日本の博物館学のもう一つの雄である國學院と隔年開催ぐらいにしても良い気がするし、関西はダメなの?と思う。その後資料を読み返し、ICOM日本開催に動くという資料を見てしばし呆然。

そんな時期にさっと読んだ小川一水の『コロロギ岳から木星トロヤへ』は、帯通り気分転換に読むには丁度良いテイストのSFだった。『天地明察』で、すっかり時代小説の人だと思われているのかもしれないけれど、沖方丁も基本はSF作家だし、小川一水も同程度かそれ以上に評価される作家なんだけれどもね。僕も小説書いてみたい。

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