2013.08.08

Launching KoSAC

今月末8月29日(木)から、「芸術」、「文化」、「社会」を緩やかなテーマにしたこぢんまりとした会(研究には必ずしもこだわならないので「研究会」とは言えないかも)を定期的に開催する予定です。以下に初回のキックオフミーティング、及び一緒にKoSACを立ち上げる東海大学の加島卓さん、そして僕の開催に当たってのコメントを付記していますので、ご関心のある方は是非一度遊びに来て下さい。

【「KoSAC」 キックオフ・ミーティングのお知らせ】

2013年晩夏、「KoSAC(Kokubunji Society for Arts and Culture、通称コサック)」という会を始めます。大学の街でもある「国分寺」を拠点に、「社会」「芸術」「文化」などをテーマにしながら、毎回ゲストをお呼びして、お話を伺う機会を設けようといった試みになります。

初回は「KoSAC」で何をやろうとしているのかという話題提供を、会の呼びかけ人でもある加島卓(東海大学/武蔵野美術大学/中央大学)と光岡寿郎(東京経済大学)で行います。また、ゲストに「A0」、「建築系ラジオ」、「人文建築会」といった試みを続けてきた天内大樹さん(東京理科大学)と、「Think of Fashion」というファッション系トークイベントなどに関わられている工藤雅人さん(文化ファッション研究機構)をお招きし、コメントを頂きます。

「KoSAC」ではアートやデザインをめぐる様々なトピックを議論する場を作っていこうと思っており、そのためにはどんな「やり方」が面白いと思うのかを報告しながら、広く意見交換したいと思います。また、第2回は10月2日(水)に原田裕規さん(東京藝術大学)と中ザワヒデキさん(美術家)をお招きして、『ラッセンとは何だったのか?』(フィルムアート社、2013年)に関する会を行う予定です。みなさん、奮ってご参加下さい。

■日時:2013年8月29日(木) 18:00~19:30

■場所:東京経済大学国分寺キャンパス第三研究センター321研究集会室

・同キャンパス正門を入り直進。最初に右手に見える2号館で右折すると、2号館の裏にある建物の2階

■話題提供者:加島卓(東海大学/武蔵野美術大学/中央大学)、光岡寿郎(東京経済大学)

■コメンテーター:天内大樹(東京理科大学)、工藤雅人(文化ファッション研究機構)

■参加方法

(1)お名前(2)ご所属(3)自己紹介を140字程度で joinkosac@gmail.com までお送り下さい。当日参加も歓迎いたします。

■問い合わせ

joinkosac(at)gmail.com (atを@マークに変えて下さい。)

【KoSAC(Kokubunji Society for Arts and Culture)とは】

I.

学校を卒業してから、勉強したくなった。勉強を続けたいけど、働くことにした。そういうニーズに少し応えられるような場として、「KoSAC」(Kokubunji Society for Arts and Culture)という会を始めます。

国分寺で行うのはこの会がテーマとして扱う「社会」「芸術」「文化」などを教える大学が周辺に多く、またこの会の呼びかけ人の勤務先でもあるからです。なんというか、異なる大学が出会い、また在学生と卒業生が集い、そしてそれぞれに面白いと思うことを話し合うには、国分寺が丁度良いように思えたのです。

会のねらいは二つあります。一つは大学や大学院を出てからでも勉強を続けたい人のための場を設けることで、もう一つはこの会で発表したことがその人なりの成果になるようにすることです。

こうしたねらいには、いくつかの理由があります。一つには、進学だけが勉強ではないと考えるからです。働きながら学び続ける人は少なくないというか、むしろ働くようになってから、勉強の意味を再発見することも少なくないと思います。二つには、大学院の修士課程修了者も勉強を続けているからです。博士課程に行かなくとも、専門家として働きつつ、学会とは別に自らの試行錯誤を報告できるような場所があってもよいと思うのです。

開催の形式は、①トークセッション(ゲストスピーカーによる報告と参加者によるディスカッション)、②読書会セッション(課題図書を共有して報告と議論)の二つを考えています。場所としては、国分寺周辺のお店やギャラリー、または大学などで行う予定です。「社会」「芸術」「文化」に関わるテーマを毎回設定しながら、みんなでテーブルを囲む感じと言えばよいのかもしれません。

最初は呼びかけ人の二人が話題を提供することから始め、次第にいろんな人に声をかけていきます。また小規模でありながら、長く続けていけたらとも思います。これからご案内を差し上げていくことになるかと思いますので、気が向きました時にでもいらして下さい。

加島 卓

東海大学/武蔵野美術大学/中央大学

II.

「KoSAC(コサック)」を始めます。多様な背景を持った仲間が「面白い!」と感じることを、「真剣に」面白いかどうか議論し、共感する場を大学という制度の外側にも開きたいのです。

その理由の一つに、僕自身研究者としては、必ずしも大学制度のなかで純粋培養されてこなかった出自があります。学部時代の仲間と「SETENV」を立ち上げたこと。20代半ばに建築家の坂牛卓さんらと自主的に「A0」という研究会を続けたこと。また助手として働き始めてから、「Arts Initiative Tokyo」の皆さんと継続してお仕事をご一緒させて頂いたこと。厳密に言えば、上述のどの経験も大学を通じた学びの場ではありませんでした。けれども、大学やそれ以上に、それぞれアカデミズム、建築、アートといった個別の分野を徹底的に面白がっている大人と一緒に、刺激的で楽しい時間を過ごしてきたのです。

もう一つの理由として、この数年、街角に佇む一戸建てのアート施設に関心を持ち続けてきたことがあります。京都の「Social Kitchen」や、2010年の瀬戸内芸術祭に合わせてオープンした岡山の「kajico」などが代表的なものですが、数人の同世代のメンバーが「身の丈に合わせて/身銭を切って」その土地の生活に根ざして運営する「場」を、自分の日常のなかにも創ってみたかったのです。この数年「東京文化発信プロジェクト」は、このような場を支えようと尽力されてきましたが、一方で個別には非常に規模の小さいアート関係の組織が、公的助成に依存してしまう脆さも懸念しています。

そこで「KoSAC」なのです。良くも悪くもこの場は、ともにアート・デザインの現場を経験してきた、二人の研究者が手弁当で運営する「場」です。年間10回程度を目処に、その都度「国分寺」周辺のスペースをベースに「場」を設定できたらと考えています。ここまで読んでみてピンと来る方であれば、どなたの参加も歓迎です。堅苦しい「研究」にこだわらず、まずは「アート、デザインを中心とした分野で真面目に面白がるぞ!」という方が、集い、議論する場を提供できればと考えています。

光岡寿郎

東京経済大学

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