10月は比較的心身ともに低調だったのだが、11月にかけて少しずつ気分が前向きに。僕の場合は、比較的どれくらいモノを見る気分になるかで判定できるみたい。
この1週間で、仕事の合間を縫ってオペラシティの『ドミニク・ペロー』展と早稲田松竹の今敏の追悼特集を見ることができた。前者は展覧会というメディアを選択する必要性に関してはやや疑問が。メッセージそれ自体は別に悪くないというか、むしろ積極的に建築に関心がある方にとっては面白いと思うのだけれども。つまり、ギャラ間以上のスペースで建築の展覧会を開催すると、結局スクリーンの大きさを大きくするとか、模型のスケールを大きくして数を増やすという、質より量の問題に展覧会が変質する感覚がある。もちろん、一覧性が重要になる建築展であればそれは問題ないと思うのだけど。度々指摘されてきた建築の展覧会問題の問題点はそのままにされいてるとは思う。悪い展覧会ではないけれども、ポスターが美しいのでその期待感でいくと少し裏切られるという気はした。
今さんは、できれば名画座だったので3本まとめて拝見したかったのだが、時間の関係で『千年女優』と『パプリカ』のみを拝見。今まで、僕は今さんだと意識してみたアニメは『妄想代理人』だけだったので、いい機会だった。名画座としてはかなり込んでいる部類に入るのではないだろうか。前者の方が好きな映画撮ってる(描いてるか?)なという感じ。ストーリー自体としては地味な部類に入るんだろうが、終わった後の感覚はああ映画みたなっていう感じ。後者は、ああエンターテイメント作品として良く出来ているなあとは思う反面、ストーリーよりはキャラクターに入れ込む感じの映画だと思う。むしろ、細田守の『時かけ』も含め、筒井康隆のSF作品のアニメーションとの親和性の高さを改めて実感。
あとこれは実写の映画でも役が抜けない俳優はいるのだろうが、『千年女優』の映画監督役の声が鈴置洋孝でガンダムのブライトが頭をちらつくとか、『パプリカ』の主要キャストの声が大塚明夫と山寺宏一で、シーンによってはどうしても『攻殻機動隊』に聞こえるというのは、やはり僕がアニメファンだからだろうか。榊原良子の声とかすごく落ち着くんだよなあ。