2012.02.04

息も絶え絶え

劇的に忙しかったこの二週間。基本的に体がついてくる限りは忙しいのどんとこい的なタイプなんだが、久しぶりに1週間ぐらい気分がネガティブな方に傾いていた。色々書きたいことはあったのだけれども、思いつくままに書いておこうかなと。

まずは1月末の職場の国際シンポジウム。僕の担当コースは海外からの講師を誰も招聘していなかったのでさほど忙しくなかったのだけれども、自分が登壇させられたのは本当に参った。基本的に演劇学、映像学の研究者が主体の研究組織に文化政策系のコースがあり、なおかつそこでメディア研究、社会学ベースでミュージアムの研究している時点で、自己紹介すらままならない感じで終わった後は本当に精神的に参ってしまった。今回のシンポのタイトルは「Acting」だったわけで、僕なんかは、例えばジンメル、ゴッフマン、あと存命だとリチャード・セネットなどは社会を維持していく上での不可避の行為としての「演じる」ことに関心を持っていたとは思うので、こういうこと演劇学の人と話したら何か面白いことにならんかなあとかこの職場では思っていたのだけれども、特にそんな話をすることもなく今の職場を離れようとしているのである。特に映画史の人たちの集団としてのできあがり具合に恐れおののいてしまったのである。

その後、出張やらシンポジウム参加などの合間をぬって大阪では草間彌生、汐留で今和次郎を見る。つうか、今年最初にみた美術展が草間彌生というのは壮絶な一年になりそうな予感。僕初めて見たときの草間彌生本人のビジュアルが強すぎてあまり好きじゃなかったのだけれども、個展を見て普通にまあありかなとか思ってしまった。油とか造形に関してはその道の方が論じればいいのだと思うのだけれども、最後の展示室のファッションの写真などは既にファッション研究等では論じられているのかなあと思いながら拝見したのだった。一方で、今も前半の展示(汐留ミュージアムは狭いので展示替えが入る予定)は、既に自身が知っていることを反芻するような感じ、もしくは書籍で拝見していた今のスケッチを生で見る感が強かったのだが、建築物やファッションのイラストが多くなった後半部の展示は面白かった。ただ時間がなくて足早に通り過ぎなくてはいけなかったのが残念だったけれども。せめて今週末は、自宅でゆっくり資料を読んで、リズムを元に戻したいなと。

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