2012.09.19

鑑賞の秋

いよいよNFLも始まり、鑑賞の秋です。美術館とスポーツの鑑賞のバランスが大切なんだよね、僕にとっては。今日はCCで撮影ができる「アラブエクスプレス」の写真を一葉冒頭に。ようやく美術館に行く時間と気力を持てた。

とはいえまずは、NFLから。わがFalconsは開幕二連勝。Atlana自体は南部最大の都市なわけだし、スポーツも伝統あるBravesを抱えているのですが、生憎日本ではほとんど放映されない。やっぱりDallas, Oakland, San Franciscoあたりが昔からのファンが多いんだろうなあと思う。ということでリキャップ映像とスタッツみる限りですが、今年はランが不安だなあ。走れてないのに飲酒運転で逮捕って何なんですか、Turnerさん。Rodgersもイマイチ潜在能力を発揮できていないので、一定程度走れてレシービング能力に長けたAddaiとかバックアップでとれないでしょうか?希望はRodgersの開花なのですが。一方で、こないだのDenver戦のスタッツ見てても思ったのですがラン出過ぎかも。McGaheeは僕は好きなRBの一人ですけど、にしてもいいオッサンですからね。ロフトンの穴がそのままなのか、ライン戦が防戦一方だったのか・・・。次戦San Diegoでランが出るようなら今年はミニGB化ってことでしょうか。

一方で、今日は久し振りに展覧会をはしご。「アラブ・エクスプレス」展の印象は、「真・善・美」で言うと、「美」以外の感覚で見る展覧会という感じでした。中東地区におけるある種のアート・バブルの社会的意味に関しては拙稿「グローバル化の分光器としてのミュージアム–グッゲンハイム美術館の世界拡張戦略を事例として」でも触れているんだけれども、コンテクストが前景に出過ぎていて作品を鑑賞するという感じではなかったんですよね。「アラビア現代美術(というものが想定できるとして)」に対して、元々コンテンポラリー好きの多い森美の来館者だと事前の文脈期待に添った形で展示のナラティブが組まれてしまって、自分の枠組みをなぞるだけになってしまわないかなとか感じながら見ていました。まあこういう社会的文脈みたいなのは、それこそ僕みたいな仕事してくれる人に任せてくれればいいので、もっと美術を生業にしている人だからこその想像力を展示の構成からは感じたかったなと。その点で、冒頭の影絵動画はケントリッジなどを想起しながら、ある種の政治性を抜いたアラブの固有性を感じることができていいなあと思ったわけです。

森美でチラシ棚を見ていて「シャルダン」展をやっているのを発見し、一路三菱一号館へ。シャルダンは好きな人しか知らんと思うし、展示の構成はいたってオーソドックスなので、むしろこちらは細かいことを。展示室の二室目では、なぜかキャプションと説明のパネルで作品の訳が違っていた。何か特に意図があったのだろうか。特に2枚を対比させている以上、共通した言葉の翻訳は一定にしておいた方がいいと思ったのだが。二点目に関心を持ったのが図録。執筆者や協力者の一覧を見ていて気付いたのですが、大学院生とPDの研究者をフル活用して編集されたようです。まあ、院生にとってはインターンシップみたいなものだし、人脈もできるので有益な経験だなとは思ったのですが、一方で館の学芸員は忙しくて(スタッフは少なくて)自分では全部翻訳できない労働環境なんだろうかとか、一方でコスト落とすために院生搾取されてないだろうかとか、綺麗な外観の裏での三菱一号館のバックヤードのゴシップを想像しながら鑑賞したのでした。あ、でもこれだけまとめてシャルダン見られることそうそうないと思いますので、フリードを思い出した方はいらしたらどうでしょう?

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