2013.09.07

今年も来た芸術の秋

ということで、この一週間必要に迫られて幾つか展覧会を見てきたので、そのレポートをば。東京都写真美術館にはすごく久し振りに日曜日に来館したのですが、意外と混んでいて安心してしまった。

米田知子展 「暗なきところで逢えれば」

1990年代から何となく好き。特に初期の作品は理知的で好きだった。米田さんが今から振り返ると、ある意味ではきわめてイギリスの美大出身の若い頃の作品として思い出してしまうのかなあとは感じた。一方で、僕もまた作品に知性や、概念的な新しさを求めていたからこそ90年代の彼女の作品が好きだったのかなあとは思う。切り取り方は斬新なところがあったと思うけれども、ある意味ではきわめて「写真」というメディアの持つ根本的な矛盾と向き合いながら年を重ねられている作家だなあと思います。ただ、ところどころ作品の数に対してスペースが狭いなとは思った。写美は小さいのでこの問題からは逃れられないかも。昔見た川内倫子のときは本当に狭くて可哀想だった。

・岩合光昭展 「ネコライオン

可愛かったニャー。ライオンの鳴き声って、擬音は「ガオー」でいいのかしら。世界ネコ歩きで論文書けるだろうか・・・。

加えて、二科展について調べていたので新美にいったついでに見た展覧会二展。

アンドレアス・グルスキー展

写真の展示って普通スケール感がすごく効くんだけれども、あんまり今回はそのイメージがなかった。デマンドなんかは明らかにでかいことに意義があると思ったのだけれども。グルスキー展は、チラシとか会場案内図がなんか個人的には嫌な感じだった。チラシのなかで「この比類のない展示により、グルスキーの写真世界の魅力を余すところなくご紹介します」と記載されているのですが、第一印象「自分で『比類ない』って言ってしまうのか・・・。『緻密に計算された』とかもう少し客観的に良さを伝えるフレージングなかったのだろうか・・・」と思った後、第二印象「比類はあるだろうな、きっと・・・」と思わされたのであります。案内図のなかの作品解説のなかには、「画面いっぱいに拡がる川面を、非常にはっきりとした一条の光が縦断するさまは、たとえばバーネット・ニューマンの絵画を想起させることでしょう」とあったのですが、類似で語れるならこの作品見る必要ないんだけれどなあなどと僕みたいな来館者は一瞬シラけました。最後にエディション50で作品を販売していましたが、50万円だとちょっと手が出ないなあ。20万円なら抽選参加したかもしれない。

・「アメリカン・ポップ・アート」展

純粋に知らない作家も結構いたのでそれが楽しかった。リキテンスタインの印象は大分変わったし、ウェッセルマンは純粋に購入したいなあと思った。日本でもNYみたいに作家のスタジオ集住区域があれば、月に一回ぐらいはスタジオ回って、まだ若い作家の作品をコレクションするんだけれどもなあなどと感じながら会場を回りました。あと、僕が訪れた際、グルスキー展でもこの展示でも来館者調査を実施していました。直接聞かなかったので何とも言えませんが、恐らくグルスキー展は業者、アメリカン・ポップ・アート展は研究グループによる調査ではなかったかと思います。それはインタビュアーの話しぶりと年齢層でそう感じました。僕はグルスキー外れて、後者でインタビュイーに選ばれたのですが、グルスキー展は謝礼でポストカードがあり、後者は何も無しだったので微妙に切ない気持ちになりました。同時期に実施するのであれば、調査に対する謝礼みたいな部分は統一しておいた方が、後々来館者のクレームを回避できそうなもんだがなあと思いながら、グルスキーポストカードをもらえなかったことを根にもつのでした(ケチ・・・笑)。

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