それにしてもひどい一週間だった。やることは山積していたのだが、結局ふらっとかの場所へ木曜は詣でました。とはいえ、自分で感じているクソッタレ感をそのまま吐き出しても、自分のブログのコンテンツとしては特に面白みがないので、漸く時間がつくれて見たものについて幾つかメモを。
ということで漸く観てきました、『愛しきエブリデイ(原題: EVERYDAY)』。素晴らしい映画でした。僕はウインターボトムの作品は大好きで、デビュー作の『GO NOW』から観ているのですが、路線的には確かに『WONDERLAND』と同じテイストだと思います。非常に淡々とした映画で正直観る人を選ぶ映画だとは思いますが、社会全体の雰囲気がこんな感じですので、なおさら世界や日々の生活は基本的にはロクでもないものだけれども、それでも人は幸せにたどり着けるという痛烈なメッセージに前向きな気持ちになれます。最後の2,3分のために制作期間5年も、残りの映画の尺85分程度も配置されている印象が僕には強くて、涙は出ないけれどもそれでもカタルシスを覚えました。先週から今週にかけては、僕がウインターボトム好きなのは、僕がハーバーマス好きなのと同じ理由から来ているのではなどとたまに感じています。
『アウト・オブ・ダウト』@森美術館
下手するとまた招待券無駄にしそうだったので結構無理して来館。7割ぐらいは元々知っている作家だったかなあと。ただ、ギャラリーや小さめの美術館での展示でもそこそこ見ていたので彼らの世代の作家でも、ここまで大規模な展示として成立するようになったのかーというのは一定の感慨ではあった。諸事情により比較的高確率で展示を見てきた泉さんの作品は、僕の好みとしては漸く見られる水準になった気がする。泉さんの作品はそれが良いという方も多いのだけれども、どうしてもノイズが多いのが苦手で、今回は彼のある種の変態さと作品の外観スマートさが両立している気がして大分印象変わりました。でも個人的に最も好きだったのは笹本さんの作品。会ってみたいなと思わされる作品。横道にそれるが、小瀬村さんもあまり遠い人ではないっぽいので、一度お目にかかってみたいなあと思う作家の一人。
日展@国立新美術館
思うのですが、普通に考えて1200円であれだけのもの見せられたらコストパフォーマンスは良いと言わざるを得ない。むしろ、ワンダーウォールよりは絶対クオリティの平均は高いと思う。私コンテンポラリーしか見たことなくて、公募展団体なんて全く興味が無い人ほど一度見てもらえばいいと思う。工芸美術のセクションなどは、結構関心する作品目白押しですよ。なぜ今朝日があれほど公募展を批判するのか正直僕は分からないし、批判すべきポイントもずれていると思う(これに関しては来年度には原稿を挙げられると思いますが)が、文化部の記者のように見て批判するのはまだしも、なんとなく公募展団体を批判的に見ている方は是非足を運んでから批判して頂ければと思う。東京展はあと数時間ですけどね。