2014.01.04

読み初め

新年明けましておめでとうございます。今年もマイペースで自分らしく生きていこうと思います。ということで、一度仕事関係の読書をシャットアウトして、年末年始いくつか文庫を読みました。ということで、一番良かったのが下の、久々の綿矢りさ。

『かわいそうだね?』 綿矢りさ

文庫になっていたので、久し振りに手に取った。暫く読んでいなかったのだけれども、その理由の一つはこの数年新潮文庫のYONDA?のノベルティ集めに邁進しておりまして、新潮縛りで集英社とか角川とか文春の文庫買っていなかったのですよね(マーケティング担当者の方ここ読むところです。あと新潮は栞無くても読めるのが良い)。つうことで下手すると留学から戻って初めて読んだ綿矢りさで、僕は結構好きでした。一時期迷走していた感があったのと、抑え気味だった女性が女性であることときちっと向き合うとこういう解放のされ方するんだな的な。もちろん、僕のまわりには思想的にも社会学的にジェンダーの問題を扱っている研究者の方が多数いらっしゃいますので、これを「女性的であること」との関連において読み、こうブログに書いてしまうこと自体ド保守な男性大学教員によるラベリングであるというお叱りは受けそうな気がしないでもないですが、一読者としては500円の文庫だったらおつりがくる楽しさがありました。

『パトロネ』 藤野可織

こちらも文庫で手に取った。これは好き嫌い分かれそうだなあと思いました。新しい芥川賞作家だから読んでみようと思ったのが一つ、もう一つは二話目が美術館の話で、ミュージアム関係の小説はなるべく読むようにしていることもあって読んでみました。個人的には、文庫本で読まなくてもという印象はあったかな。二作ともそれぞれ写真についてのディテール、美術館(美術)についてのディテールがきちっと描かれすぎていて、僕みたいに写真部出身で美術館の研究をしていると、そのディテールばっかりが気になって、気がつくと本筋が楽しめなくなっているという(苦笑)。次に文庫化されたものを読むのを楽しみに待ちます。

『アレクシア女史倫敦で吸血鬼と戦う』 ゲイル・ギャリガー

ハヤカワや創元も定期的に新しいシリーズに手をだしているのですが、ヴィクトリア朝ロンドン、スチームパンクのキャッチフレーズに反応し購入。何冊か読んだら面白いかなあという気はしたけれども、期待していたほどスチームパンクな情景が視覚的には浮かんでこない印象でした。単純にこの手のシリーズの小説の一作目にしてはロマンスが強くて、それで萎える。ロマンスの描かれたかの方が妙に視覚的に浮かんでしまい、スチームパンク読んでいるのか、歴史物のロマンス読んでいるのか(しかも狼男・・・)が分からなくなるという。

ってな感じで研究以外の書籍を読みながらビール飲んだりして過ごしたお正月ですが、今日からゆるゆるとお仕事を再開しております。改めて引き続き本年もよろしくお願いいたします。

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