まあ備忘録のようなもの。コロナの2020年度も終わろうとしていますが、夏休み前までは本当に研究用の本は読めなかった。秋ぐらいから全般的に活字が読めるようになってきて、楽しいという読書は昨年の晩秋からだった気がする。最近読んだ2点。
ご存じの方も多そうな『ニムロッド』、芥川賞受賞したときから気になっていたがようやく文庫本になったので早速読んだ。なんとも感想を書くのが難しい本。2周しないと言語化できないタイプの本。ほかに上田さんの作品で読んだのは『私の恋人』ぐらいか。
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『クローゼット』が良かったので、千早茜さんの小説で文庫になっているものから一冊選んだ。こちらは、情念あふれる作品。セッティング自体はそれなりに刺激的になっているのだが、要は共感、もしくは愛を求心力でとらえるか、遠心力でとらえるかみたいな話なんだと思う。こんな恋愛したいとは思はないが、後半の主人公はかなり僕の感覚と近いなあと思いながら、予想に反してほぼ一気読みになってしまった。読み始めは、あまり日常性が高くないので引くなあと思いながら、途中からは目が離せなかった。
ということで、先週本屋行ったら、ずっと気になっていて手が出ていなかった藤井太洋さんの作品がハヤカワではなく講談社で文庫化されてたのでホクホク顔で購入したのでした。すっかり、電子書籍から紙媒体に戻ってしまった私。